亜鉛は青白く反応性の高い金属で、その生産量は鉄・鋼・銅にはるかに及ばないが、防食・合金・電池の三分野で安定した役割を担っている。最大の用途は溶融亜鉛めっきであり、鋼板や線材を溶融亜鉛に浸して緻密な亜鉛層を形成し、腐食が始まると亜鉛が犠牲的に鋼を守る。このためめっき鋼板・鋼管・継手は屋根材、高速道路のガードレール、街路灯、送電鉄塔に広く使われ、亜鉛めっきは世界の鉄鋼に対する代表的な防食ルートとなっている。黄銅は銅亜鉛合金で、銅の加工性と亜鉛の強度・耐摩耗性を併せ持ち、蛇口、バルブ、錠前、楽器、装飾金物に用いられる。電池では、マンガン乾電池やアルカリ亜鉛マンガン電池が、負極の缶またはゲル状負極として膨大な量の亜鉛を使い、空気亜鉛電池や亜鉛臭素フロー電池は蓄電研究のホットトピックである。さらに亜鉛は、ダイカスト合金(自動車・家電の精密ダイカスト部品)、冶金還元剤、農薬・医薬の原料にも用いられる。